「親父返る」のストーリー

アメリカ人ホーレス・トランドル氏は妻エフィーと結婚後25年の長きを安らかに過ごしてきた。が、ある日の朝の食卓に不意に妻の弟で、世にも不思議な与太者オスカー・バロウスがとび込んで来たのであった。それが因で、ここにホーレス氏に実に不運な悩み多い日が続いたのであるが、そのホレース氏の辿った行路というのは、実に次に示すようなことなのである。ホーレス氏は先ずオスカーに家庭の平和を乱す故をもって断固として退去を命じた。するとオスカーは自分はベーブというコーラスガールと恋仲になっているからといって憫みを乞うた。その時、氏は可憐なるコーラスガールがこのオスカー如き与太者と将来を共にしては誠に気の毒の至りであると考えた。そこで氏はたちまちにしてその見世物小屋に至りベーブを訪ねてその不心得をさとそうとした。が、氏は相手の女を見知らぬこととは言いながら、迂闊にも他の女を捉えてその不心得をさとしたのであった。ところへオスカーも氏の跡を追ってやって来た。が、元来オスカーとてベーブを知っている訳のものではない。彼は唯、ホレース氏の同情をひかんとして口から出任せの嘘をならべ立てたのであったから,ホレース氏がベーブだと思っている女を一も二もなくベーブだと思ってしまう。ところが、本物のベーブ、偽のベーブ、それからオスカーのこの3人、あくまでも狭い者どもで、人のいいホレース氏の弱点につけ込み、氏を縦横にあやつって、散々にその金を絞り取った。その挙げ句夫の不行跡とばかり妻のエフィーまでが、この女どもとグルになり、美容術を施すやらして、夫をもとに取り戻そうとする。しかも女2人とオスカーとが、ホレース氏の金を狙うこと益々執拗である。で最後は、兎も角一同は妙なところへ納まるのであるが、この時に氏は最愛の妻エフィーに頬をひっぱたかれつつも、「エフィーよ、我れ汝を愛す」との口走りつつ、悔恨の涙に咽んだというのである。

今日は映画何の日?

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