「驚ける妻」のストーリー

病床に苦しむ母に療養を加えることができないために、貧しき乙女シセリイは金持ちのジョン・アシュトンと結婚する。結婚の夜にジョンはシセリイを連れて料理店へ行ったが酔いが廻るにつれて隣にいた魔性の女クレアーのことから争いを起こし喧嘩になって殺されてしまった。シセリイはふと新聞で仏国戦場で行方不明になった人々の中にジョン・アシュトン中尉という名を見出し、病める母を救けたいばかりに心にもない偽りをいって中尉の宅を訪れた。中尉の両親は彼女の淑やかさを見て、出征の前夜結婚したという彼女の話を信じてしまう。数個月経って死んだと思った中尉が帰宅したのでシセリイは痛く愕いたが、中尉は彼女の哀れな告白に同情して何事も言わなかった。中尉の従弟フィリップは彼女の素性を知って脅迫し己の意に従わせようとするがシセリイは雄々しき中尉に助けられ、悲しかりし今までに引きかえて幸福な道を辿ることになった。