「男の一頁」のストーリー

ニューヨークの拳闘選手ジミー・ドランは兼ねてから親孝行が売り者の男であったが、選手権獲得の晩、不注意にも母親のない事を喋り、それを新聞に発表されるのを防ごうとして新聞記者と争い、過って殺してしまう。泥酔していたので不覚にも眠ってしまった間に、彼のマネージャーは金と時計と情婦を奪って逃走するが、自動車が転覆し惨死する。時計が証拠となって、彼はジミーと判断される。翌朝新聞記事を見たが、何の事か判らず弁護士の所へ相談に出かける。その弁護士は悪い男で、彼の貯金を奪おうという目的の下に、彼をことさらに恐れさせ、他所ヘ逃走させる。ジミーは仕方なくジャック・ドガティと名を変えて田舎を放浪するが僅かの金は尽き、ムーワという博士の未亡人の経営してる療養所まできて昏倒する。未亡人と娘のペギーの看護によって、彼は間もなく回復する。人目を忍ぶ落人の事とてジミーは早く立ち去ろうとするが、美しいペギーの親切が心嬉しく滞在するうちに2人は恋に陥る。ところがその療養所は2000ドルの抵当に入っていて、その月末には人出に渡る不運になっている事を知る。それまでは友情も親切も眼中にないジミーであったが、急に思い立って、金をこしらえようと決心する。街にポーランド人の巨漢が興業していて、拳闘試合で1ラウンド以上耐え得る者には1ラウンド毎に500ドルずつ賞金を払う、というのである。ジミーは応募し、体量の倍もある巨漢を相手に4ラウンド頑張って2000ドルの金を獲得する。兼ねてから惨死したのはジミーではない事を確信していた老探偵フラキサーは、その試合を見に来ていたが、ポーランド人の相手になった拳闘家こそジミー・ドランであることを見極め、逮捕しにやってくる。がジミーがペギーや未亡人や療養所の子供達と別れを惜しんでいる様を見ていたフラキサーは、ジミーを捕らえる事は一生一代の大手柄になるのであったが、ジミーのためにきっぱりと諦めて、見逃してやった。そしてジミーが喜び勇んで療養所へと急ぐのを見送る。老探偵の眼は涙に光っていた。

今日は映画何の日?

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