「天晴れ名騎手」のストーリー

八百長競馬の不正な金儲けを常習している競馬組合の巨魁モリシーはヴァージニア州のキャルーン家で、秘蔵の名馬レディー・カレージャスを教調している若い騎手ジョニー・ルペンサーを見出し、これを種に一儲けしようとキャルーン夫人を説伏してジョニーをニューヨークに連れて行った。夫人の愛嬢メアリーはかねてからジョニーに恋していたが愛馬熱と功名心とに馳られていたジョニーは彼女の心などはさして深く考えようともしなかった。ニューヨークに出たジョニーは4つの競馬に勝ち続け売出して行ったが、モリシーは妖婦シビルを囮につかい、色仕掛けで人のいいジョニーを蕩し込み、5回目の競馬に八百長をうたせる。がこれが直ちに審判官に見破られジョニーは騎手の資格を剥奪された。彼は次でモリシーやシビルが大金をせしめてキューバへ高飛びしたことを知り欺かれたことを始めて覚ったけれども今は遅く浮浪人同様に成り下がってしまう。一方キャルーン夫人は持馬レディー・カレージャスを全国大競馬に出そうと新しい騎手エリスを雇って教調に怠りなかったがジョニー去って後の馬には昔日の意気がなかった。その家の老僕ジミーはこれを心配しジョニーを探し公園でビラまきをしていた彼を見付け連れ帰って馬を教調させた。が、これを知ったキャルーン夫人は未だ彼に対する怒が解けていないで彼を解雇してしまう。全国大競馬の当日、エリスが負傷して出馬不可能となったので、メェリーは百万奔走してジョニーを代理騎手として出場せしめるように取り計らった。ジョニーは再び一味の悪計と脅迫とに遭遇したが、よくそれを切り抜けて、競馬に第1等を占めるのである。メェリーとジョニーの恋の成立したことは言うまでもなかろう。