「太陽の下の10万ドル」のストーリー

北アフリカの町ブリマ。トラック運転手のロッコ(ジャン・ポール・ベルモンド)は、賞金10万ドルの同僚ハンスの積荷を横取りして逃げた。運送屋のボスはエルベ(リノ・ヴァンチュラ)に命じてロッコを追わせた。そして、ロッコは恋人ペペ(アンドレア・パリジー)を同乗、快適な旅を楽しんでいた。エルベと、車をロッコにとられたハンスはやっとのことで追いついたが、無理な追い越しを試みて崖に衝突してしまった。仮修理の終るのももどかしく、エルベ達はロッコを追った。やがて、前方の山陰にロッコの車を見た。慎重に接近、ハンスは拳銃を構える。が、車の中には姿がない。だが、車に近づいた瞬間、後からロッコのホールド・アップがかかった。突嗟に逃げたハンスに、ロッコのライフルがハンスの脚を撃ち抜いた。ロッコはガソリンをきらしたのだ。エルベとハンスにトラックの積荷を入れ替えさせ、さっさと走り去った。とりのこされた二人は、照りつける太陽と熱い砂に苦しめられながらも、やっとのことで本道を探しあて、通りがかりの車に便乗してムッソラの町に辿りついた。エルベはそこで恨み骨髄の男、ロッコを夢中で探し歩いた。ようやく見つけたロッコは、キャバレーで豪遊していた。ロッコは、彼が来るのを知っていたかのように、彼を見てニコリと笑うと、二人は表に出、猛烈な殴りあいをした。二人は力つきてくたくたになってしまった。と、ロッコが不意に哄笑しはじめた。そして「トラックも10万ドルもあの女に持ち逃げされた」と言った。やがて、二人は大声で笑いだした。アフリカの太陽がギラギラと眩しかった。