「黙って抱いて」のストーリー

ヴィルジニー(ミレーヌ・ドモンジョ)は孤児院や養育園から脱走すること三度という経歴の持ち主。友人のオルガと逃げ出したところをベビー・ギャングたちと知り合い仲間に入る。警部のジャン(アンリ・ヴィダル)はヴァンドーム広場の宝石商からエメラルドを盗んだギャング団を街の兄ちゃんに変装して捜査中。彼はヴィルジニーをギャング団の一味として捕えるが、この美人の犯人にすっかり惚れこみ、正体を現わしてしまう。警官嫌いのヴィルジニーはジャンの素性が分ると怒り出し、復讐しようと決心する。が、その彼女にジャンが求婚する。一度は拒絶するヴィルジニー、しかし彼の男らしさについつい結婚を承諾するが以前助けられたベビー・ギャングと離れるわけにいかず、夫の目を盗んで彼らの仕事の手伝いをつづける。そうした彼女の動きを知ってか知らずかジャンは寛大な態度をとっていた。そのうち、彼はベビー・ギャングたちが密輸したカメラの中に問題のエメラルドが隠されているのを発見、ヴィルジニーの足どりを追跡してベビー・ギャングの親分であるギャング団の正体をとらえる。そして今は、すっかり夫に惚れ込んだヴィルジニーは仲間のルルー、ピエローに応援を求め、ジャンにギャングの親玉シャルマーニュを逮捕させる。ジャンは黙ってヴィルジニーを抱く。何か言おうとするヴィルジニー。ジャンはその彼女に「美しく、そして黙って」とささやいた。