「狼の心」のストーリー

山紫に水清きカナダの西北部に善人ガスパーと呼ばれた猟師は、 その所有する鉱山および総ての希望を捧げていた恋人サリーを都から来たよこしまなベンスンに奪われ、怨みの一念凝って復讐の鬼となり、機会の到来を待つうち早くも数年は過ぎて、遂に彼の待ちに待った復讐の時が来た。ベンスンはガスパーの策によって牢獄に打ち込まれ、サリーはベンスンとの仲に生まれた幼児を残して病死する。ガスパーはその幼児を引き取って養育するうち、その純真な幼児に感化され、次第にもとの温い気持ちに返る。その後ベンスンが出獄して幼児を引き取りに来ることになったので、幼児を手離すに忍びず、我が家を罠にして狼を放ちベンスンを殺そうとしたのであるが、神の裁きか幼児がその罠に入ったので、ガスパーは命を賭してそれを救いベンスンの手に幼児を返し、去り行く2人の後姿を河岸に立っていつまでもいつまでも見送ったのである。