「黄金の雨」のストーリー

ラリイはちょっとしたことから不当の罪を着て刑務所に入れられたが、出所する時殺人犯人として収容されているハートから1通の手紙を託された。それは彼が殺した男の遺族に宛てられたもので、10歳になる不良少女のパッシーと老いたる祖父との2人が受取人である。ラリイは親友のクロウバーに会い、お祭りの軽業に使ってやると言われたが、ヴェニスに行って歌手となることを希望しているラリイは無一文であるにも拘わらずそれを拒絶する。彼はバッシイに会って仲良しとなったが、少女と祖父は1文も金も無く食にすら困っているのを見たので、2人を助けるためアパートの中庭に出て得意の歌を歌ってやった。4方の窓から小銭が雨のように降って来た中に、アパートの1室を訪れる様にとの紙片が混じっていた。ラリイは言われた通り少女を連れその部屋に行くと、現れたのは若い娘スーザンで彼女は州孤児院の仕事をしている女だった。ラリイが幼いバッシイを誘拐していると思い込んだ彼女は、少女を孤児院へ送ろうとしたのである。ラリイは性来の放浪癖を押さえて少女と祖父のため働いてやろうと決心した。殺人犯の手紙に書かれてあった通り、彼らは1軒の古い家を手に入れ、それを改造して宿屋を始めたが、資金不足で失敗する。ラリイはやむなく1度断った危険な軽業を始めて負傷する。その内に彼とスーザンは互いに恋する様になったけれど、お互いに相手の気持ちは知らないままでいた。バッシイが孤児院に入れられたので、ラリイは腹を立ててスーザンを罵ったが、実は彼女が少女をかばって職を失ったことは知らなかった。しかも彼がバッシイからこれを聞かされた時は、彼は職を求めてニューヨークへ出発した後だった。彼は早速後を追ってニューヨークへ出る。その時バッシイは孤児院でストライキを始めたので、困った役人たちは少女を引き取ってくれる様にと相談にやってきた。こうしてラリイはスーザンと少女と祖父の4人は、再び仲良く一緒に暮らすことになりラリイは職を得て希望通りゴンドラの歌い手になった。もっともそれは中央公園の遊園地に設けられたゴンドラであった。