「超犯罪 ハイクライム」のストーリー

南仏、マルセイユの朝、男がひとり、モーターボートでイタリアに向けて旅立った。同じ頃、北イタリアのジェノバ。既に情報を得ていた警察では、マルセイユからの麻薬の運び屋“レバノン人”を逮捕するため、腕ききのベルリ警部(F・ネロ)を待機させ、逮捕させた。しかし護送の途中、何者かに殺されてしまった。ベルリはこれを機会に、自分流のやり方でこの事件に取りくむ決意を固める。その第一歩として、昔の大ボスカフィエロ(F・レイ)を訪問するが、事件に首をつっこみすぎない方がいいと忠告されるだけで、しっぽはつかめなかった。その頃、財界人のパーティが開かれており、グリバ系列会社の社長、やり手の副社長リボルタ(M・エルピチーニ)、社長の弟ウンベルト(D・D・プレート)が出席していた。同じ夜、ある薄暗い倉庫では銃撃戦による麻薬の奪い合いが行われていた。襲わせたのはリボルタで、手先となったのはカフィエロの部下でグリバ一派にも通じていたリコだった。しかし、グリバ側に寝返ったリコでもカフィエロの真の恐しさを知っており、我身を守るためにリボルタをゴルフ場までオートバイで追いつめて殺してしまう。そのリコも何者かの手で殺され、死体が岸に打ち上げられる。事件の真相はグリバ・グループが握っていることは分かっていたがベルリは証拠が掴めず焦りを感じていた。そんな折、ウンベルトと愛人のチカ(E・ガレアニ)が殺され、そして、あの偉大なカフィエロまでも殺されてしまう。さらに魔の手は、ベルリの幼い娘と彼の愛人コリン(D・ボッカルド)にまで伸びてきた。ベルリの怒りは爆発した。彼は鬼となって犯人を見つけ出し射ち殺すが、彼の心は虚しかった。小物逮補のうらでのうのうとしている大物がいる。それよりも愛する者を失った悲しみの方が大きかった。