「おい待てタクシー!」のストーリー

ピーター・ホイットビイ君はジンマーマン建築会社の設計技師である。主人のジンマーマン老人は名うての頑固親爺、何でも我を張らなければ承知をしないというお約束どおりの因業者。そこへ持って来てピーター君が少し南向きと来て居るから、先生一向うだつが上がらない。折しも、ジンマーマン老人の姪が学校の休暇を利用して訪問して来ることになったので、ピーター君は迎せ畏み停車場へ迎えに行く。ところがその姪御のローズさんたるや絶世の美人なので忽ちピーター君ボーッと来てしまう。彼女にせがまれ、ささやかな繰り金を洗いざらい工面したピーター君は夜会服を新調し、老人には内密でローズさんを淫蕩なカフェー・スウィニーに連れて行く。その帰りにやっと手に入れたタクシーが生憎朦朧車で、ピーター君には飛んでもない嫌疑がかかり、ローズさんを連れ出したことが老人にバレて、忽ち首になってしまう。ところが、ローズさんも今ではピーター君に首ったけの熱々で学校へも帰されるのが嫌やさも手伝ってピーター君と結婚することになる。一方建築会社ではピーター君が作りかけた設計図が大事なお客様の気に入り、ピーター君が居なくては大きな請負を煙にしなければならない結果となり、今更周章てて首にしたピーター君の行方を探す。そうしてやっとのこと、教会でローズさんと結婚したピーター君を連れ戻し流石の因業親爺も兜を脱いで、再びピーター君も首がつながったばかりか、三国一の花婿様として納まることになった。