「オーシャンと十一人の仲間」のストーリー

クリスマスの1週間前、エースボスはラスベガスでの大仕事を計画していた。彼はオーシャン(フランク・シナトラ)にまかせた。オーシャンは第二次大戦中空挺部隊の軍曹で、仕事の仲間に10人の戦友を呼んだ。彼らは音楽家志望のハーモン(ディーン・マーティン)、元オートレース選手ステファンズ(リチャード・ベネディクト)、金持ち息子のフォスター(ピーター・ローフォード)、電気技術師バーグドーフ(リチャード・コンテ)、元サーカス座員コーニール(ヘンリー・シルヴァ)、元プロ野球選手ハワード(サミー・デヴィス・ジュニア)ほかにマスラー(バディ・レスター)、オコナーズ(ジョーイ・ビショップ)、レイマー(ノーマン・フェル)、ジャックソン(クレム・ハーベイ)で、エースボスの家に集結した。彼らにはそれぞれ大金の欲しい理由があった。オーシャンは計画を説明した。ラスベガスのサハラ、リビエラ、デザート・イン、サンズ、フラミンゴの5つ賭博場を、大晦日の夜12時きっかりに送電線を倒し停電させたスキに金を奪う――一味の5人は店にそれぞれ働き、他の5人は客になりすまし、ハワードはゴミ運搬車の運転手で、ゴミとともに金を運ぶ受持だった。彼らはダニイの指揮のもと、軍隊式規律のもとに着々と準備をすすめた。バーグドーフは各賭博場のスイッチに仕掛けをした。大晦日――どこも乱痴気騒ぎで沸いていた。フォソターの母も6番目の夫サントス(シーザー・ロメロ)とともにきていた。12時、“蛍の光”のメロディとともに場内は真暗になった。つづいて停電、一味は金を奪ってゴミ溜にすてた。ハワードは運搬車で非常線をゆうゆう突破した。ところが、バーグドーフが道路上で急死した。一方、サントスはフォスターが当地にいることを知って何かをかぎつけ、賭博場の経営者たちに金を取りかえしてやるといった。サントスはオーシャンを訪ね、金を半分半分にしようと交渉した。オーシャンは金をバーグドーフの棺に隠し、本拠に運ぼうとした。そこに未亡人が遺体を引取りに来た。何も知らぬ彼女は葬儀屋のすすめで当地で火葬にすることにした。葬式に参列する11人とサントス――彼らの耳にゴウゴウと火葬場の音がきこえてきた。