「囚われの美女」のストーリー

闇の組織で情報の運び屋をしているヴァルテル(ダニエル・メグイシュ)は、ある夜ダンス・クラブでブロンドの美女(ガブリエル・ラズュール)と出会い、二人は踊り始めるが、女ボス(シリエル・クレール)から仕事を命じられているうちに、彼女は姿を消してしまう。ヴァルテルはその仕事--ある国家議員にメッセージを届ける道中、今しがたの美女が足に傷を負い、意識を失って道に倒れているのを発見する。彼は彼女を車にのせ、通りすがりの屋敷に助けを求めるが、一つ部屋に閉じ込められるや女はヴァルテルを誘惑し始めた。翌朝彼が目覚めると女の姿はなく、屋敷は荒れ放題、さらに彼の首には吸血鬼に噛まれたような傷が残されていた。屋敷を出てカフェに立ち寄ったヴァルテルは、そこで昨夜の女が、彼がメッセージを届けるべき人物アンリ・ド・コラント伯爵の婚約者で、婚約直前に失踪したことを知る。さらに彼は、伯爵が心臓発作で急死したこと、女が6、7年前に事故で死んだことを知り、混乱を極めてゆく。やがてヴァルテルは、錯綜した夢と現実のはざまで、混沌のうちに命を奪われるのだった。