「キリング・タイム」のストーリー

犯罪捜査課刑事シモン・ブルント(ベルナール・ジロドー)は妻マルティーヌ(ファニー・コタンソン)がイゴールという彼女の愛人のもとへ出て行ったことを知り深いショックをうける。彼は妻を捜すため街へ出て、スーパーマーケットで眠ってるヴィオレッタ(ファニー・バスティアン)という18歳の不思議な娘と出会う。シモンは、今の自分にとってまるで天使に見える彼女に心魅かれ、彼女の世話を友人のジョルジュ・アルベール・ランドリィ(ジャン・ピエール・サンティエ)に頼み、シモンは再びマルティーヌを捜し回る。しかし次第にシモンは、美術館で働いているというヴィオレッタのおかしな行動が気になり始める。やがてジョルジュからイゴールの居所をつきとめたとの報をうけたシモンは、彼の経営するホテルに乗り込み、傷ついた妻を発見するが、そこには射殺されたイゴールの死体が横たわっていた。ジョルジュがそこで撮った写真の中に写っていたガブリエル(リュック・ラヴァンディエ)というチンピラの過去を探すうちに、シモンは孤児院で彼と一緒に写っているヴィオレッタの写真に行きあたった。彼女は娼婦の私生児で、その母親は二人のチンピラの乗る車に轢き殺されたのだった。やがてシモンはヴィオレッタがガブリエルと密会している現場を目撃し、また彼女が娼婦の姿をして母を殺した二人の犯人を無罪にした弁護士ブロス(ジェラール・ブラン)に接近していることを知るのだった……。奇妙な符号の一致から事件は終結し、シモンの周辺はすべてが元通りになった。病院から退院したマルティーヌとの絆を取り戻したシモンは娘ニナを連れて、新たな再出発を期するのだった。