「予告された殺人の記録」のストーリー

物語は25年ぶりに故郷に戻ってきた医師クリスト・ベトヤ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)の回想によって進められる。カリブ海にある河沿いの町。鉄道もない閉鎖的なこの町に、ひとりの異邦人がやって来た。彼の名はバヤルド・サン・ロマン(ルパート・エヴェレット)。パナマ帽をかぶり、日焼けした肌のこの男は、どこか不思議な魅力を備えていた。ある日、バヤルドは広場を通りかかるアンヘラ(オルネラ・ムーティ)と出逢う。彼は質素で美しい彼女に強く惹かれ、彼女こそが、長年探し求めていた結婚の相手だと決める。バヤルドの強引な求愛と、彼が金持ちだと分かり、玉のこしにのせようとした母親(イレーネ・パパス)ら家族の説得に負けたアンヘラは、ついに結婚を承諾する。婚礼は華々しく行われ、ついには町をあげての一大饗宴にまでなる。しかし不幸が起きたのは、その直後だった。その夜、新婦が処女でないことを知ったバヤルドは、絶望し彼女を母親のもとに返す。驚いた一家は、娘の貞操を奪った男の名を聞きだそうとした。責めたてられたアンヘラがついに叫んだのは、富も名誉もあるハンサムな青年サンティアゴ・ナサール(アントニー・ドロン)の名だった。双子の兄弟は家の名誉を守るため、サンティアゴ殺害を予告する。そして、白昼の広場で人々が見守る中、宿命劇を演じるかのごとく、復讐が成し遂げられる。だが事件の後、バヤルドに対する深い愛に目覚めたアンヘラは、愛の証に25年にわたって彼に手紙を送り続けていた。そしてある日、船から一人の男が降り立つ。鞍袋から大量の手紙を取り出し撒き散らす男。手紙に気づいたアンヘラの前に姿を現わしたその男は今は初老となったバヤルドであった。

今日は映画何の日?

注目記事