「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」のストーリー
1891年春。ワトソン(ロバート・デュヴァル)は、ベーカー街にホームズ(ニコル・ウィリアムソン)を訪れた。なぜならばホームズが、コカイン中毒となり、モリアーティを倒せと、熱にうなされていたからだ。かたわらにはコカインを7%の溶液に薄める注射器が。ホームズに追い出されたワトソンを家で待っていたのは、モリアーティ教授(ローレンス・オリヴィエ)だった。教授は、ホームズから意味のない迫害をうけていると、ワトソンに訴えるが、昔、ホームズの家庭教師を教授がしていた話になると、口をつぐんでしまう。過去の何かが今、ホームズを苦しめていると考えたワトソンは、最近注目の心理学者フロイド(アラン・アーキン)に彼を頼もうと、妻やホームズの兄の助けをかりて、ホームズをウィーンへ連れ出した。こうして治療は数日に渡って続いたものの、以前のホームズには戻れないとワトソンは思った。ある日、フロイドの患者ローラ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が、再び麻薬で自殺を計ったという連絡。なんとか病院にかつぎ込まれた彼女は、保護者と名乗るラインスドルフ(ジェレミー・ケンプ)に連れ去られた。さてホームズの出番だ。推理は冴え、ラインスドルフが多額の借金を帳消しにするため、ローラを誘拐したものと判明。かくて、ホームズの勇猛ぶりに、犯人はつかまった。事件は一段落し、ホームズの中毒原因を、というワトソンにフロイドは謎を解き明かした。彼の幼少の頃、母がモリアーティと密通し、それを知った父が母を殺したからだ。数日後、ロンドンへ戻る船の中に全快したホームズの姿があった。