「FBIモスクワに潜入せよ」のストーリー

映画のプロデューサー兼音楽家のミトロフ(アーネスト・ボーグナイン)は米情報組織CBIから目をつけられていた。ソ連生まれで米人の富豪ベンソン夫妻ら共産党員に知人があり、スパイにするには恰好の男というわけだ。ある日彼の助手のエイヴリー(カーウィン・マシューズ)が、映画制作上に重要なスタッフがつぎつぎにクビにされている、といってきた。ミトロフの抗議についてベンソンはソ連大使館の書記官クベロフの指図だという。そんなある日、CBIのサンフォード(グレン・コーベット)は、ミトロフがソ連スパイの一員にされようとしていることを知らされ、ミトロフに逆に米国の情報活動に加担するよう指示した。そして米政府の記録映画を撮影するという名目で西ベルリンに行かされることになった。それには信頼できる男をつけようといってくれたがそれがエイヴリーだったのには驚いた。CBI員だったのだ。西ベルリンのスタジオで、ミトロフ派旧知のベルグマンに再会した。2、3日して彼は突然東ベルリン人民裁判所に呼ばれた。東ドイツに対するベルグマンの反逆罪容疑の証人としてだった。心ならずも彼の証言でベルグマンは有罪を宣告された。その功で、ロズノワという女性からある件を依頼され、それを遂行したことの信用から、モススワに招待された。待っていた機会だ。見聞のすべてを持ち帰る義務がある。エイヴリーはもちろん行かれない。ミトロフを米国での情報網の中心におこうという計算らしい。ミトロフは厳しい適性テストを経、最後に彼は在米ソ連情報員の顔と特徴を誤りなく記憶させられた。その頃ベンソン夫妻がアメリカを脱出、東ベルリンにやってきた。ミトロフがCBIの手先だという彼の情報を聞いて、ロズノワは愕然とした。それを知ったエイヴリーは、電報でその危険を知らせ、ミトロフはモスクワを脱出した。「逮捕せよ」の命令のでた東ベルリンの警戒網を危うくくぐり、ホテルに辿りつき、情報の録音を済ませた。そのあと激しい銃撃戦にエイヴリーは重傷を負ったが、ミトロフの働きはソ連情報網に大きな打撃を与えた。