「ザ・キープ」のストーリー

ボーマン大尉(ユルゲン・プロホノフ)に率いられたドイツ国防軍はルーマニアの小さな城郭に進軍した。この城の内部はすべて重い石で作られているのに、外側は小粒の石で造られている。まるで何かを閉じ込めるために建造されたみたいだ。ある雨の夜、グレッケン・トリスメグストゥス(スコット・グレン)は、ショック状態から目覚め、奇妙なスーツケースを手に地中海から黒海ヘ入り、城郭ヘ向かう。彼は長年、城郭を見守り、しだいに死すべき運命を望むようになる。彼が待ち受けていた通り、城郭の中で抑えられていたものが、解き放たれた。彼はそれを破壊するために動き出す。中世歴史学者でユダヤ人のクザール博士(イアン・マッケラン)と娘のエヴァ(アルバータ・ワトソン)がSS突撃隊長ラムプファー(ガブリエル・バーン)によって城郭ヘ移されて来た。隊長は村の牧師ホーンスキュー(ロバート・プロスキー)から博士が殺戮を防ぐことができると聞かされたのだ。ある日、博土は城郭の中で、放たれたものに出逢い、不自由で醜かった体が若返り、想像を絶する力を得ることができた。ナチを撲滅する力を得たと思った博士は、逃亡を断念する。しかし、力を与えてくれたそれは、かわりにあるものを城郭から解放するよう要求。その事態こそグレッケンが恐れ、防ごうとしていたことだった。城郭から追放されたエヴァは偶然グレッケンと知りあい、愛しあうようになる。グレッケンはここで行なう任務の途中で殺される運命にあった。やがて、村はあたかも全人類の抑圧された衝動や欲望が解き放たれ、理性を失った悪夢の世界のように変貌していく。人間になることを欲していたグレッケンは最期をとげる前に、エヴァとの愛を成就する。一方、博士は城郭の中にあるパワーを人間の世界に解き放とうと苦闘していた。そのパワーとは、世の中を支配する善悪の悪の力で、善の具現した姿こそグレッケンその人だったのだ。城郭の中で悪のパワーと戦うグレッケン。遂に悪を倒した時、城の中にいた博士は我に返ったように、元の年老いた姿になり、城の中から解放された。外に出た彼に娘のエヴァが駈け寄った。そして村の人々も、彼を迎えるのだった。

今日は映画何の日?

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