「遊女・杜十娘」のストーリー

時代は明朝の万暦年間(1573~1619)、北京の名妓といわれる杜十娘(潘虹)が、国子監太学生である李甲(イ冬瑞敏)に身請けされることになった。二人の結婚の祝宴が、李甲の親友柳遇春(呉慈華)らによって催されていた。杜十娘のいた妓院は、売れっ子の彼女を失うまいと、この縁談には猛反対だったが、二人の情熱と柳遇春らの協力で晴れて実現のはこびとなったのである。しかし十娘の幸せはつかの間だった。李甲の父親がこの結婚には大反対だったのだ。悩み苦しんでいる李甲の様子を見て邪悪な考えを思いついた男がいた。孫富(婁際成)である。彼は李甲に、家風を汚してはいけない、と言葉巧みに説きふせ、杜十娘を銀一千両で売り渡すことに同意させてしまったのだ。このことを知って十娘は悲しんだ。取り引きの日、彼女は自分の宝である宝石箱とともに船から身を投げるのだった。