「愛の奴隷(1976)」のストーリー

1918年のロシア。ロシア革命の余波は映画界にも及んでいた。しかし内容は相変らず“泥まみれのバラ”“ギロチン台の娘”といった安易なメロドラマが多い。監督のカリャーギン(アレクサンドル・カリャーギン)、プロデューサーのユジャコフ(オレーグ・バシラシヴィリ)、女優のオリガ(エレーナ・ソロヴェイ)らは政治には無関心。革命のモスクワから遠く離れて南部の黒海沿岸の小さな港町で撮影を続けている。しかし、現場はフィルムが届かなかったり、共演男優がモスクワから到着しなかったりで、人気女優であるオリガは苛立ちぎみだ。混乱のスタッフ連の中にただ一人冷静な男がいた。カメラマンのポトツキー(ロジオン・ナハペトフ)だ。彼は密かにオリガを愛しており、そのことにオリガも気づきはじめていた。そして二人は毎朝ドライブを重ねるようになった。オリガは、ポトツキーに共産党員であることを問うが、それを認め、逆にオリガに今の社会状況を語って聞かせるポトツキー。やがて人形のような存在である女優としての自分の空しさを感じ、やっと自我にめざめるオリガ。ある晩、憲兵隊が撮影所の捜索にやってくる。ポトツキーは子供たちを処刑する憲兵隊たちの残虐な行為をフィルムに収めていたのだ。オリガのポトツキーへの愛がつのり、やっと結ばれる二人だったが、それも束の間、ポトツキーは憲兵隊に捕えられオリガの眼の前で射殺されてしまうのだった。

今日は映画何の日?

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