「愛の選択」のストーリー

ヒラリー・オニール(ジュリア・ロバーツ)は25歳の労働者階級の出身だが、溌剌とした女性だった。彼女は恋人の浮気の現場を目撃し、母(エレン・バースティン)のもとに身を寄せていたが、新聞で病人の看護婦募集の広告を見て、サンフランシスコの豪邸を訪ねる。数多くの募集者の中、ヒラリーは簡単に断られるが、なぜか呼び戻されて採用となった。実は父親リチャード(デイヴィッド・セルビー)の意向を無視した、当の病人ビクター(キャンベル・スコット)たっての願い出だった。彼は28歳で10年前から白血病と闘っていた。看護を始めたヒラリーは闘病のあまりのすごさに一時は仕事を辞めようかと悩む。しかし、負けん気の強い彼女は白血病の本を読み、本気で看護に取り組み始めた。ビクターはクリムトの絵を愛し、クラシックに傾倒する教養溢れる青年で、ヒラリーを相手に芸術を語った。最初はあまりの環境と教養の違いに違和感を感じていた2人だったが、次第に心を通わせるようになる。ある日、2人はドライブに出掛け、衝動的に郊外の貸別荘を借りてしまった。厳しい父親の目を逃れて、初めて体験する自由な日々。ブドウ園の女主人エステル(コリーン・デューハースト)とゴードン(ビンセント・ドノフリオ)という友人もできた。しかし、彼らとの触れ合いでビクターはかえってヒラリーとの階級の差を感じる。病気が再発したビクターは、ひそかにモルヒネを使うが、ヒラリーはそれに気づき、リチャードに連絡する。連絡されたことを知ったビクターはショックを受けるが、ヒラリーは死ではなく、生きることを選ぶよう説得する。ヒラリーの誠実な愛に触れたビクターは夜が明けるころ、2人で共に生きていくことを決心するのだった。