「カラヴァッジオ」のストーリー

1610年、ミラノ近郊のカラヴァッジオ村で生まれた画家ミケランジェロ・メリシ・カラヴァッジオ(ナイジェル・テリー)は、トスカーナ地方のポルト・エルコーレの簡素な部屋に横たわり、死を待っている。故郷を離れ、長い逃亡生活を送ってきたカラヴァッジオは、40歳を迎え、荒れた生活の痕跡がその顔に刻まれている。彼の脳裏に様ざまな思い出が横切ってゆく。少年カラヴァッジオ(デクスター・フレッチャー)は、ローマに移り住み、道端で絵を描きながら、わずかな収入で食をつないでいた。貧困から病気になった彼は、入院先で枢機卿デル・モンテ(マイケル・ガウ)の訪問を受ける。カラヴァッジオの絵に魅せられた枢機卿は、自分の館に彼を引きとることにする。枢機卿の庇護のもとにカラヴァッジオは腕を研き、ついにローマの聖ルイ・フランス教会から公式の作品依頼を受ける。『聖マタイ伝』の連作である。製作は難航した。ある日、彼は、若い賭事師ラヌッチオ・トマソーニ(ショーン・ビーン)と出会い、彼をモデルに絵を描いた。ラヌッチオの愛人で美しい売春婦のレナ(ティルダ・スウィントン)も描いた。そんなある日、賭事から争いが生じ、カラヴァッジオはラヌッチオにナイフで刺されて傷を負う。ふたりの男とひとりの女を結ぶ関係は、この事件で深まっていくのだった。やがて、カラヴァッジオは、高名な銀行家マルケーゼ・ヴィジェンゾ・ジュスティアーニ(ナイジェル・ダヴェンポート)の依頼を受け、「エロス」を描く。彼はジュスティニアーニの豪華なパーティにラヌッチオとレナを連れて行く。その席で、レナは、法王の甥でローマの政治的権力者ビオーネ・ボルゲーゼ枢機卿(ロビー・コルトレーン)に紹介され、ボルゲーゼは、レナに心を奪われる。悲劇の幕はカラヴァッジオがレナをモデルにマグダラのマリアを描いていた時に訪れた。ポーズを取るレナは、ラヌッチオとカラヴァッジオに、ボルゲーゼを誘惑するという策略を打ちあけた。数日後、レナはテベレ川で溺死体で発見され、ラヌッチオは容疑者として逮捕される。一方、カラヴァッジオは、愛人ラヌッチオが投獄されている間釈放に奔走した。釈放されたラヌッチオはカラヴァッジオの前に現われ、自分こそ真犯人であることを告げる。怒ったカラヴァッジオは、ついにラヌッチオを刺し殺すのだった。

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