「栄光に死す」のストーリー

1939年、大戦前夜。ロンドンからニューヨークに向けて出向した英貨物船「グレン・イネストン」号には、英国追放の米人マイク(パット・オブライエン)、殺人犯(アラン・バクスター)、自称検事モーガン(ジョン・ハリデイ)、その秘書クリスティーヌ(コンスタンス・ベネット)、ドイツ学者ベーレン博士(E・カルサー)以下九名の客がすし詰めに積み込まれていた。ベーレン博士は平和主義者であったが、やがてラジオが英国の対独宣言を報ずると船長の配慮で船室に軟禁されることになった。Uボートの攻撃を慮かり、船客は対潜処置を教えられると共に、船には大砲が取りつけられたが、不幸にも船は安全海域を出る寸前に敵潜水艦にキャッチされた。船は砲撃を受け、死傷者を出した上、エンジンに故障を起して停船、無電機もこわれてその修理にマイクとベーレン博士が当たったが、直らなかった。しかしマイクはふとラジオに雑音が混じるのに気付き、ベーレン博士が短波を発してUボートを呼んでいることを知った。人々は博士の部屋に殺到し、抵抗する博士を射殺、その機械を奪った。マイクはボートに短波機をのせ、敵潜をおびきよせて撃沈することを提案、実行を買って出たが、それを押しのけてボートに乗り込んだのは殺人犯のラリーであった。人々が固唾をのんで見守る霧の海上に、やがて轟然たる爆音が轟きわたった。