「ネクロノミカン」のストーリー

〈ザ・コールド〉新聞記者のデイル(デニス・クリストファー)は、40年間に11人もの人間が髄液を抜き取られて殺されるという猟奇事件を追い、事件の多発地域に住むマデン博士(デイヴィッド・ワーナー)のアパートを訪ねる。デイルは管理人のエイミー(ベス・メイヤー)に冷蔵庫のように冷えきった部屋に招き入れられ、彼女はデイルの質問に答え始めた。22年前、このアパートにやって来た彼女の母親エミリー(ベス・メイヤー二役)とマデン博士は愛し合うようになった。だが、博士は『ネクロノミカン』に従って永遠の命の研究を続け、自らもそこに記された方法で若さを保っていた。そのためには冷気と、人間の髄液が必要だった。博士はその後、偶発事故により全身が溶解しながら死亡したという。では、今も続く事件の犯人は?デイルはようやくエイミーの正体が、髄液のおかげで今日まで生き長らえたエミリーであることに気づく。だが、時すでに遅く、彼は新たな犠牲者となった。 〈ザ・ドラウンド〉エドワード(ブルース・ペイン)は海岸べりの古びたホテルを相続するため、ニューイングランドにやって来た。その夜、彼はかつての家主で、自分の伯父ジェスロ(リチャード・リンチ)の残した手紙で、60年前にそこで起きた惨劇を知る。船の難破で妻子を失ったジェスロは、悲しみのあまり死者を蘇生する秘法が記された『ネクロノミカン』に従って儀式を行う。だが、蘇った妻子はもはや人間ではなく怪物と化しており、恐怖と後悔から彼は崖から投身自殺したのだった。それを知ったエドワードは誘惑には勝てず、事故で死亡した最愛の婚約者クララ(マリア・フォード)を蘇らせようとする。しかし、やはり蘇生したのはクララとは呼べない巨大でおぞましい怪物であり、エドワードはその犠牲となった。 〈ウィスパーズ〉パトカーで犯人を追跡中に大事故を起こした女性警官のサラ(シグニー・コールマン)は、同乗していた相棒のポール(オッバ・ババタンデ)が何者かに連れ去られるのを目撃し、その後を追う。迷路のようなビルの中で彼を見失ったサラの前に奇妙な老夫婦(ドン・カルファ、ジュディス・ドレイク)が現われ、この建物のどこかにブッチャーという魔物が巣くっているという。半信半疑のサラは地下室の奥へと足を踏み入れるが、老夫婦は邪悪な正体を現して落とし穴に突き落とす。彼らこそブッチャーだったのだ。穴の底には無数のバラバラ死体が転がり、ポールも既に食われていた。そこへ怪物たちが彼女を襲ってきた。その時、サラは病院のベッドで目を覚ます。だが、手術を施す医者はあの老夫婦だった: 。ここまで読んだラヴクラフトに、彼が封印を破ったことを知った僧たちは本を元に戻さなければ魔界の扉が開き、暗黒の深淵から怪物たちが人間界を目指してやって来るぞと警告した。彼は間一髪、仕込み杖で怪物たちをやり過ごすと、ネクロノミカンを持って寺院から脱出した。