「ヴォルガの舟唄」のストーリー

露国貴族として由緒深い奮家で金満家のニキタ・サクチコフ公爵の美しい令嬢ヴェラは許婚の近衛士官ディミトリ・オルロフ公爵と共にヴォルガ河畔を自動車旅行していた。韃靼人のキャンプに来合わせた時ディミトリは運勢判断をして貰った。その折ヴォルガの船唄を歌いながら船曳きの人々がやってきた。船人のなかには若く美しいフェオドルという美青年がいて、ヴェラは彼に非常に心を惹かれた。フェオドルは水桶を空けながらディミトリの長靴に水をかけた。ディミトリは彼に拭けと要求したが、拒絶したので鞭打たしめた。ヴェラは駆け寄ってかわんとしたがフェオドルは彼女を追い退け甘んじて頬に鞭を受けた。ディミトリ等が立ち去ったあと、占術者のマリウシヤはフェオドルを慰めんとしたが彼は彼女をも退け、船人たちと共に去った。マリウシヤには聾唖者の鍛冶屋、テフアンが恋していたが彼女はそれを受け入れなかった。革命が起こり、ニキタ公爵の城が荒らされた時召使の1人が闖入者の1人を殺した。その代償としてヴェラが血祭りにあげられることになった。隊長格のフェオドルは自ら彼女を殺すと宣言し人々を退出させた。しかし2人きりになった時彼は彼女を射殺しなかった。そして赤葡萄酒を彼女にふりかけ空中に向かって発砲した。人々が戻った時ヴェラは死を装って倒れていたが、マリウシヤが狂言を発見した。フェオドルはヴェラを抱いて逃れとある宿屋に至るや、彼は彼女を己が妻と宣言した。ところがその宿屋は白軍に占領されヴェラは酒席に侍べらせられた。白軍司令官のディミトリ公爵は驚き、ヴェラとフェオドルとが夫婦と聞いて翌晩にはフェオドルを射殺するべきことを命じた。2人は共に愛をしばらく共に死ぬことを覚悟したが幸軍が逆襲したために助けられた。そして革命裁判所に於いて2人ははヴェラとディミトリの助命を願った。革命に左右するか追放かといわれた時、ディミトリは追放をえらんだがヴェラは革命に加わってフェオドルと相抱いた。

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