「蜘蛛女」のストーリー

ジャック・グリマルディ(ゲイリー・オールドマン)は万年巡査部長の生活から抜け出すためにマフィアと内通し、情報を提供して大金をもらっていた。美しい妻のナタリー(アナベラ・シオラ)と若く魅力的な愛人シェリー(ジュリエット・ルイス)に囲まれた彼の生活は申し分ないように思えた。ある日、ジャックはマフィアの女殺し屋モナ・デマルコフ(レナ・オリン)を護送する任務についた。モナは目的のためなら手段を選ばぬ残忍な女で、ドン・ファルコーネ(ロイ・シャイダー)さえ彼女を恐れていた。移送したホテルでモナは、ジャックを誘惑する。彼の情報でマフィアの刺客がホテルに向かったが、モナはFBIの捜査官を殺して逃げていた。失敗を償わせるため、ファルコーネは彼にモナを殺すよう命じる。だが、その彼女が彼の目の前に現われ、自分の死亡証明書を作ってくれればマフィアの報酬の5倍は払うと言う。彼はセクシーなモナの魅力と金の力に屈し、取引に応じる。ジャックの背信を知ったマフィアは彼の足の指を切り落とす。追い詰められた彼は、シェリーと別れ、妻を逃がした。証明書を受け取ったモナは、彼を殺そうとする。やっとの思いで逃がれた彼はモナを射殺するが、それは彼女の罠で、死体はシェリーだった。モナは自らの腕を切り落とし、同じく腕を切ったシェリーの死体を焼いて、自分の死を偽装する。モナに捕らえられたジャックは、彼女のなすがままとなってファルコーネを生き埋めにした。やがて2人は警察に逮捕されるが、すべての罪を彼に着せたモナは無罪放免となる。勝ち誇ったように去る彼女の後ろ姿に彼は銃弾を浴びせて殺した。意外にも釈放された彼は、再会を約束した場所でいつまでも妻を待ち続けた。