「3人のエンジェル」のストーリー

ドラッグ・クイーン・コンテストのN.Y.地区予選を勝ち抜いたノグジーマ(ウェズリー・スナイプス)とヴィーダ(パトリック・スウェイジ)は、ハリウッドで開催される全国大会への出場権を手にした。ノグジーマは、優勝を逃して泣いていた半人前のチチ(ジョン・レグイザモ)を一緒にハリウッドに連れていき、美しい蝶にしてやろうと提案。2人分の航空券を売ってポンコツのキャデラックを手に入れ、憧れの女優ジュリー・ニューマーの写真をお守り代わりに、3人は西に向かって旅立った。格式ある家に生まれたヴィーダは今は勘当同然の身で、3人の車がたまたま実家の前を通りがかった時も、彼女は遠くから母の姿に目をやるだけだった。ノグジーマとヴィーダは旅をしながらチチに、一流のドラッグ・クイーンになる4つの関門を教える。その1「心意気」をクリアしてその気になったチチは、門前払いを恐れる2人の先頭に立って堂々とモーテルに入れ、第2関門「苦難はぶっとばせ」も見事に突破した。だが、ネブラスカ州に差しかかったところで、職権を乱用して不埒な行動に及ぼうとしたドラード保安官(クリス・ペン)をノックアウトした彼女たちは、相手が死んだものと思い込み、あわてて逃げる。しばらくして車がエンコし、親切なヒッチハイクで知り合った青年ボビー・レイ(ジェイソン・ロンドン)のお陰で3人は田舎町スナイダービルにたどり着き、車の修理が終わるまで町に滞在することに。町の人々は、都会から来た“デッカイ美女”たちを物珍しそうに眺め回す。ヴィーダは夫ヴァージルの暴力に耐えるホテルの女将キャロル・アン(ストッカード・チャニング)と仲良くなり、彼女を励ます。3人の闖入者に刺激され、町はにわかに活気を取り戻す。失語症になっていた老婆クララはノグジーマの話に反応して、突然喋り始めた。ジミー・ジョーの店もいつしかシャレたカフェに衣替え。女たちはヴィーダの手ほどきで化粧をし、ノグジーマのセンスで60年代ファッションに変身。一方、息を吹き返したドラードは、血眼になって3人の行方を追っていた。そんなこととは知らず、チチはボビー・レイに恋するが、町の娘ボビー・リーの片思いの相手が彼だと知る。自分が男である以上、この恋は成就できないと悟ったチチは身を引き、第3の関門「耐え忍ぶことを学べ」を泣く泣く越えるのだった。3日が過ぎ、車の故障が直り、3人は町を去ることにした。キャロル・アンは自分の新しい生き方を教えてくれたヴィーダに、今、かけがいのない友情を感じていた。彼女は3人が男であることは、初めから気づいていたという。その時、ドラードがヴァージルと町に乗り込んできた。「彼らは変態のゲイだ」と叫ぶドラードに、真っ赤な衣裳に身を包んだ町の人々が一丸となって立ち上がり「それのどこがいけないの」と3人を守って追い返した。この日は町を挙げての「イチゴ祭り」の日で、3人は人々と陽気に騒いで町を去った。いよいよコンテストの当日。見事優勝したのは第4の関門を突破し、美しくなったチチ。優勝の冠を授与したのは、本物のジュリー・ニューマーだった。