「ブルックリン最終出口」のストーリー

52年、ニューヨーク州ブルックリン85番街。3人の酔っ払い兵が、ストリート・ギャング風の若者たちに襲われ、警官やMPたちがやって来た。その時、若者たちを庇ったのは鉄鋼所の労働組合の現場責任者であるハリー・ブラック(スティーブン・ラング)だった。妻子との日常生活に疲れていたハリーにとって、組合での地位こそが生活のすべてで、スト期間中である現在、自分が無制限に経費を使えることをヴィニー(ピーター・ドブソン)たち若者に自慢し、ビールを振る舞うのだった。労働者のビッグ・ジョー(バート・ヤング)は、娘のドナ(リッキー・レイク)の妊娠を知り、バイク好きの息子スプーク(キャメロン・ジョアン)から、相手がトミーであることを知らされ、彼に殴りかかるが、一方でふたりを結びつけようと画策するのだった。トララ(ジェニファー・ジェイソン・リー)は色仕掛けで男を拾い、金を巻きあげるカモを探して」いる。ヴィニーに惚れているゲイのジョージェット(アレクシス・アークエット)は、仲間を集めパーティを開く。招かれたハリーは、ゲイのレジーナに魅せられ一夜を共にするが、ヴィニーに振られたジョージェットは、もうろうとする意識の中でタクシーにはねられ、息絶えるのだった。鉄鋼所では、騎馬警官が組合側のピケに放水し、会社側のトラックを走.らせた。この後、経費の使いこみが発覚し、ハリーは要職を失った。金のないハリーはレジーナに捨てられ、街を彷徨いスプークに襲いかかろうとするところを、ヴィニーたちに殴り倒されるのだった。ドナが赤ん坊を産み、トミーとの披露宴の席で、ストの妥結が発表される。トララはカモにスティーヴ中尉を選ぶ。やがてトララは彼に惚れていることに気づくが、中尉は朝鮮に旅立ってゆく。酒に溺れるトララは、見ず知らずの男たちに身体を任せるのだった。そんな彼女に服をかけてやるスプーク。彼は秘かにトララに憧れていたのだ。そしてストが妥結した鉄鋼所に労働者が出社してゆき、ブルックリンの街に、再び活気が戻るのだった。(松竹富士配給*1時間43分)