- 手に汗握る
- 感動的な
- 怖い
- おしゃれな
- 泣ける
- 可愛い
- 笑える
- 重厚感のある
- かっこいい
- ほのぼのとした
- セクシーな
- スカッとする
- 親子で楽しめそう
- 考えさせられる
ここが見どころ
「ヒミズ」の染谷将太、「あの日のオルガン」の戸田恵梨香ら実力派が競演して紡ぐ家族の物語。麟太郎の父が亡くなる。通夜の夜、仕出し弁当をキャンセルした母は、通夜ぶるまいとして目玉焼きを出す。次々と運ばれてくる手料理に、家族の思い出がよみがえる。出演は、「沈黙 サイレンス」の窪塚洋介、「三度目の殺人」の斉藤由貴、「赤い雪 Red Snow」の永瀬正敏。監督・脚本は、本作が長編デビューとなる常盤司郎。
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映画専門家レビュー
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映画評論家
川口敦子
実父母と監督が共演した短篇「クレイフィッシュ」で対峙した家族、死をめぐる経験あってこその処女長篇は、実を虚にするための歳月を経た脚本に支えられ「家族ってわからないもの」という懐かしくも涙ぐましい普遍を不器用に、だが切実に射抜く。ゆっくりと紐解かれていく家族の歩み。兄帰るの瞬間の遠い眩しさ(窪塚洋介!)。終盤のいらない種明かし的な部分がなければなと、そこだけ残念。台所の狭さの居心地良さ等々、家族の場所、その実感を映像化する美術の力も忘れ難い。
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映画評論家
佐野享
是枝裕和の諸作品や野尻克己「鈴木家の嘘」など、日本映画でもようやく家族の自明性に対して異議を申し立てる作品がつくられるようになったが、この映画はそのなかでももっとも成熟した達成といえよう。手堅いキャストから、その手堅さ以上の説得力を引き出した演出の手腕。情感に陥りそうな場面もみごとにこらえて忘れがたい余韻を残す。作劇上、斉藤由貴の告白にすべてを集約させてしまいがちなところをサラリと切り抜け、「外」の人間に最後の一品を運ばせるラストには唸った。
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映画評論家
福間健二
スローテンポ。大事なことを人はこんなにも言わないものか。また知る力もないのか。疑問は残るが、家族、とくにたがいに連れ子をもって一緒になった夫婦のかかえる苦悩が理解されるまでに時間がかかることはあるだろう。最近はこんな感じの役がつづく永瀬正敏がお父さん。その通夜の話。彼の遺志にしたがって妻の斉藤由貴が思い出の料理を出していく。この仕掛けでいちいち回想が入る。脚本も編集も常盤監督。段取りありすぎで膨らみがなく、三人の子は魅力ある人になれない。
「最初の晩餐」のストーリー
独立して2年目となるカメラマン・東麟太郎(染谷将太)と姉・美也子(戸田恵梨香)の父・日登志(永瀬正敏)が死ぬ。通夜の準備が進むなか、母・アキコ(斉藤由貴)が通夜ぶるまいの仕出し弁当を勝手にキャンセルする。何もないテーブルを見つめて戸惑う親戚たちに、アキコは日登志の遺言に従い、自分で作るという。最初に運ばれてきたのは、目玉焼きだった。それは、日登志が最初に作ってくれた料理だった。登山家の日登志とアキコは再婚同士で、20年前に家族となった。麟太郎(外川燎)が7歳、美也子(森七菜)が11歳で、アキコには17歳のシュン(楽駆)という男の子がいた。5人は気持ちを少しずつ手繰り寄せ、家族として暮らし始める。しかし、1本の電話がこの家族を変える。シュンは、父と2人で山登りへ行った翌日、自分の22歳の誕生日に家を出て行った。以来、5人が揃うことはなかった。次々と出されるアキコの手料理を食べながら、麟太郎たちの脳裏に家族として暮らした5年間の思い出がよみがえる。通夜ぶるまいが終盤に差しかかったとき、シュン(窪塚洋介)が15年ぶりに現れる……。
「最初の晩餐」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2019 |
公開年月日 | 2019年11月1日 |
上映時間 | 127分 |
製作会社 | 「最初の晩餐」製作委員会 (製作プロダクション:アットムービー) |
配給 | KADOKAWA |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://saishonobansan.com/ |
コピーライト | (C)2019「最初の晩餐」製作委員会 |
「最初の晩餐」の多彩なBlu-ray/DVD
映画専門家レビュー
今日は映画何の日?
NEW今日誕生日の映画人 1/20
- デイヴィッド・リンチ(1946)
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ようこそ映画音響の世界へ
ハリウッドの映画音響に焦点をあてたドキュメンタリー。その進化において大きな偉業を残した「市民ケーン」「鳥」「ゴッドファーザー」などの名作から映画音響の歴史を紹介。さらに、スペシャリストたちと共に“音”が映画にもたらす効果と重要性に迫っていく。出演は「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「スター・ウォーズ」のベン・バート、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストローム。 -
デニス・ホッパー/狂気の旅路
個性派俳優でありアメリカン・ニューシネマを代表する「イージー・ライダー」を監督、アーティストとしての顔も持つハリウッドの反逆児デニス・ホッパーの半生を追うドキュメンタリー。関係者の証言や未公開映像を交え、その足跡と映画史における役割を辿る。デニス・ホッパーの大ファンだったニック・エベリング監督が、1970年代初頭から約40年にわたりホッパーの右腕だったサティヤ・デ・ラ・マニトウをはじめ家族や友人・知人らによる数々の証言や、自ら集めた未公開映像をもとに構成。 - エヴァン・ピーターズ(1987)
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ボーダーライン:ソマリア・ウォー
海賊が蔓延るソマリアで現地取材を行ったジャーナリスト、ジェイ・バハダーの手記を映画化。2008年。伝説のジャーナリスト、シーモアの影響を受けたジェイは、ソマリアの現地取材に向かう。危険な取材の中、使命感を芽生えさせてゆくジェイだったが……。出演は「X-MEN:ダーク・フェニックス」のエヴァン・ピーターズ、「キャプテン・フィリップス」のバーカッド・アブディ、「ワーキング・ガール」のメラニー・グリフィス、「ゴッドファーザー」のアル・パチーノ。 -
X-MEN:ダーク・フェニックス
特殊能力を持つミュータントたちの活躍を描いた人気シリーズ「X-MEN」第7弾。X-MENの一員であるジーン・グレイが宇宙で事故に遭遇。これによりダークサイドが覚醒し、世界を滅ぼすほどの強大なパワーを持つダーク・フェニックスに変貌する……。出演は前作「X-MEN:アポカリプス」に引き続きジーン・グレイを演じるソフィー・ターナー、「ミスター・ガラス」のジェームズ・マカヴォイ、「エイリアン:コヴェナント」のマイケル・ファスベンダー。「X-MEN:アポカリプス」の脚本を担当するなど、長年にわたってシリーズに携わってきたサイモン・キンバーグが、長編映画初監督を務める。
NEW今日命日の映画人 1/20
- オードリー・ヘップバーン(1993)
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マイヤーリング
1957年にテレビ番組『プロデューサーズ・ショーケース』の1本として1度だけ全米生放送された作品。以後、目にする機会はなかったが、当時の技術“キネスコープ”で録画されたマスターを復元し、劇場公開が実現した。オードリー・ヘプバーン(「ローマの休日」)とメル・ファーラー(「戦争と平和」)の夫婦共演も話題に。 -
ローマの休日 製作50周年記念デジタル・ニューマスター版
アメリカン・フィルム・インスティテュートが2000年に発表した“アメリカが生んだ最も素晴らしいラブストーリー ベスト100”の第4位に選ばれた恋愛映画。製作から50周年を迎え、“デジタル・ニューマスター版”として再び公開された。この映画によって、主演のオードリー・ヘプバーンは無名の女優からハリウッド・スターとなった。なお脚本は、当時の赤狩りでハリウッドから締め出されていたダルトン・トランボが、友人のイアン・マクラレン・ハンター名義で初稿を執筆、これにハンターが手を加えたものを、さらにジョン・ダイトンが改稿するかたちで決定稿に至った。初公開時はトランボの名前は伏せられていたが、のちに当時の事情が明らかになり、デジタル・ニューマスター版には新たにトランボの名がクレジットされている。