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1994年から25年に亘り全7作が上演された、星屑の会による人気舞台『星屑の町』シリーズを映画化。売れないムード歌謡コーラスグループ『山田修とハローナイツ』のメンバーたちが、歌手を夢見るヒロイン・愛との出会いをきっかけに、人生が大きく変わり始める。出演は「笑顔の向こうに」の大平サブロー、TVアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のラサール石井、「この世界の片隅に」ののん。監督は「の・ようなもの のようなもの」の杉山泰一。星屑の会は、本作の原作・脚本を務める水谷龍二と、ラサール石井、小宮孝泰が、笑ってホロリとする作品を作ることを目指し結成したユニット。
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映画専門家レビュー
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映画評論家
須永貴子
田舎娘の愛が、おじさんたちのコーラスグループに加入するまでに80分が経過していた。起承転結の“転”に至ってようやく、この作品の主人公が愛ではなくおじさんたちだと認識。愛にだけ回想シーンがあるなど、彼女の人物造形が厚くなり過ぎ、作品の主体がボヤけてしまった。駆け足で迎えた“結”での彼女の唐突な決断とおじさんたちの元サヤは強引。生の舞台では成立しても、映像ではもっと楽曲数と尺をシェイプしないとダルい。いろいろな点でバランスが悪いが、のんの変化に★を。
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映画評論家
山田耕大
タイトルからして郷愁を誘う。ベテラン脚本家による舞台は、シリーズ七作まで作られている。「山田修とハローナイツ」というコーラスグループに歌手を夢見る田舎娘が加わる。もうそれで話の流れが想像がつき、思った通りに展開する。定番なのが、なぜこんなに心地よいんだろう。心躍る安心感! 味のある役者が隅々に至るまで配されている。熟達の脚本に軽やかでセンスのいい演出。どんな時にも心がどこかに飛んでいるようなのんが異彩を放っている。とても気持ちいい映画を観た。
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映画評論家
吉田広明
25年間続くシリーズ演劇と言うが、さすがにキャラも作り込まれて危なげない娯楽作に。若い女子を入れる入れないでグループが険悪な雰囲気になり、各自の来歴や抱えるものが露わになってくる辺り、やはり映画は何かが崩れる所こそ面白い。岩手が舞台でのんを起用というキャスティングは安易だが、彼女の頸さで一本芯が通った感じ。ただし女子とおっさん集団の違和感は拭えず、せめて女子を昭和歌謡マニアとでもしておけば女子参加の不自然も歌手志望という動機の古臭さも払拭できた筈。
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「星屑の町(2020)」のストーリー
地方回りの売れないムード歌謡コーラスグループ『山田修とハローナイツ』。大手レコード会社の社員だった山田修(小宮孝泰)をリーダーに、歌好きの飲み仲間である市村敏樹(ラサール石井)と込山晃(渡辺哲)、青木五郎(有薗芳記)をコーラスに、大阪ミナミでくすぶっていた歌手・天野真吾(大平サブロー)をボーカルに迎えてスタート。途中から参加した西一夫(でんでん)は、ハローナイツの借金を肩代わりすることを条件に、博多にある焼き鳥屋と4人の子どもを女房に任せてグループに参加。それぞれの事情を抱えながら続けてきたものの、これといったヒット曲もなく、ベテラン歌手・キティ岩城(戸田恵子)と一緒に地方を回りながら、細々と活動を続けている。ある日、修の生まれ故郷・東北の田舎町にやって来たメンバーたち。そこには、修と遺恨を残す弟の英二(菅原大吉)が待っていた。一方、英二の息子・啓太(小日向星一)の幼馴染み・愛(のん)は、スナックを経営する母・浩美(相築あきこ)を手伝いながら、歌手になることを夢見ていた。そんななか、突然、愛がハローナイツに入りたいと直訴。酔っ払った市村が適当な返事をした事から大騒動に発展するが、結局、愛はハローナイツに加入することに。じわじわと人気が上昇していくハローナイツ。スポットライトを浴び、状況が一変していくなか、メンバーたちは夢を叶えたかに見えたが……。
「星屑の町(2020)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | コメディ ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2020 |
公開年月日 | 2020年3月6日 |
上映時間 | 102分 |
製作会社 | 「星屑の町」フィルムパートナーズ(ヒコーキ・フィルムズ インターナショナル=東映ビデオ=メディアプルポ=イオンエンターテイメント=アイエス・フィールド=アミューズメントメディア総合学院) (制作プロダクション:メディアプルポ=ヒコーキ・フィルムズ インターナショナル/制作協力:アイエス・フィールド) |
配給 | 東映ビデオ(配給協力:イオンエンターテイメント) |
レイティング | 一般映画 |
公式サイト | https://hoshikuzu-movie.jp/ |
コピーライト | (C)2020「星屑の町」フィルムパートナーズ |
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