- 手に汗握る
- 感動的な
- 怖い
- おしゃれな
- 泣ける
- 可愛い
- 笑える
- 重厚感のある
- かっこいい
- ほのぼのとした
- セクシーな
- スカッとする
- 親子で楽しめそう
- 考えさせられる
ここが見どころ
2018年のテレビドラマ版が好評を博した新井英樹の原作コミックの後半部分を映画化。宮本浩は、不器用ながらも真っ直ぐに仕事と向き合う文具メーカー“マルキタ”の営業マン。自立した女性・中野靖子と恋に落ちた彼の前に、最大の試練が立ちはだかる。出演はドラマ版から引き続きの池松壮亮、蒼井優、松山ケンイチらに加え、「嵐電」の井浦新、「キングダム」の一ノ瀬ワタルが新加入。監督は「ディストラクション・ベイビーズ」の真利子哲也。
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映画専門家レビュー
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映画評論家
川口敦子
「宮本の行動に関して後半はただ唖然としてた」(プレス)と原作の凄みを語る真利子監督。その手になる映画版も、終盤で暴力が啞然を超え涙と笑いと呆然へと至る。観客をそこまで辛抱させる演出力は「イエロー・キッド」「ディストラクション・ベイビーズ」のパンチドランク状態、苦痛の果ての爽快感の差し出し方で証明ずみだが、今回の絶叫芝居の畳みかけは、重低音を効かせた音楽と拮抗する不条理なまでの寡黙さあってこそ目を撃つ映画の身体性の美を殺す方に働いてしまった気がする。
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映画評論家
佐野享
真利子哲也の単独脚本だったTVシリーズと異なり、共同脚本に港岳彦が参加している点に注目。原作のもっともハードな展開を映画化するにあたり、このタッグは大いに奏功し、新井英樹作品の特色である日常空間が突如として禍々しい場所に変わる瞬間がゾッとする緊迫感と嫌悪感をともなって現出した(それだけに性暴力シーンは鑑賞に注意が必要だ)。激情の底に繊細さをしのばせた池松壮亮と蒼井優に大拍手。ピエール瀧、佐藤二朗ら現代の怪優たちも一段上の本気度で応えている。
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映画評論家
福間健二
冒頭の音楽の入れ方からして説明的。演技も、いまっぽさの一方で力みすぎの芝居が入る。池松壮亮も蒼井優も果敢に汚れ、バクハツ的な人間味へと健闘する。それは認めるが、正念場の、非常階段の決闘を終盤におくためか、時間が行ったり来たりする。わかった成り行きをなぞる構成ではないか。真利子監督、共同脚本の港岳彦。ダサいほどの、必死の、なりふりかまわぬ奮闘にこそ人間の実があるという通俗哲学以上の何を拠りどころにしたのだろう。出会うべき本当の敵を見逃している。
「宮本から君へ」のストーリー
文具メーカー“マルキタ”の営業マン、宮本浩(池松壮亮)は、笑顔がうまく作れず、気の利いたお世辞の一言も言えない不器用な男。にもかかわらず、人一倍強い正義感で、日々の仕事をこなしていた。会社の先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間で自立した女性・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちた宮本はある日、靖子の自宅での食事に呼ばれる。だが、そこに現れたのは、靖子の元恋人・裕二(井浦新)だった。裕二を拒むため、宮本と寝たと告げる靖子。怒りに任せて靖子に手を出した裕二に対して、“この女は俺が守る”と言い放つ宮本。この出来事をきっかけに、心から結ばれた宮本と靖子に、ひと時の幸福が訪れる。やがて、営業先の真淵部長(ピエール瀧)と大野部長(佐藤二朗)から気に入られた宮本は、飲み会の誘いを受ける。靖子と共に参加し、気合いを入れて日本酒の一升瓶を飲み干す宮本だったが、最後は泥酔。見かねた大野が車で送ろうと、真淵の息子・拓馬(一ノ瀬ワタル)を呼び出す。ところが、やって来たのは、ラグビーで鍛えあげた肉体を持つ巨漢の怪物だった……。泥酔する宮本と宴会を楽しむ靖子。2人の間に人生最大の試練が立ちはだかる。究極の愛の試練。愛する靖子のため、“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む宮本の運命は……?
「宮本から君へ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2019 |
公開年月日 | 2019年9月27日 |
上映時間 | 129分 |
製作会社 | 2019「宮本から君へ」フィルムパートナーズ (制作プロダクション:スターサンズ/制作協力プロダクション:CREDEUS) |
配給 | スターサンズ=KADOKAWA |
レイティング | R-15 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | https://miyamotomovie.jp/ |
コピーライト | (C)2019「宮本から君へ」製作委員会 |
「宮本から君へ」の多彩なBlu-ray/DVD
映画専門家レビュー
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