ここが見どころ
俳優・斎藤工と芸人・永野がタッグを組み、第23回プチョン国際ファンタスティック映画祭でヨーロッパ国際ファンタスティック映画祭連盟アジア賞を受賞したドラマ。小顔矯正を決意したモデルが美容クリニックを営む整顔師の万力によって変身を遂げるが……。出演は、斎藤工、永野のほか、「Diner ダイナー」の金子ノブアキ、「jam」のSWAY、「Sea Opening/シー・オープニング」の小池樹里杏、「blank13」の神野美鈴。監督は、「SAKANAMON THE MOVIE サカナモンは、なぜ売れないのか」の清水康彦。
今すぐ見る
映画専門家レビュー
-
映画評論家
福間健二
「小顔になりたい」若い女性と「若い男をつなぎとめたい」年配女性を、どんな目にあわせてもかまわないかのように扱う。顔を変形させる。首を切断して命を奪う。作中では事故的にそうなるけど、清水監督たちは意図をもってやっている。愚かな願望とそれにつけこむ浅知恵。そういうものの戯画を極端化するが、これがやはり浅知恵、粗雑。出番が多いのは整顔師として登場して最後は死刑室に送られる斎藤工だが、主役は頭を挟む万力装置か。このチームを窮屈なところに追いつめている。
-
映画評論家
川口敦子
「その着想は、芸人・永野のファッションイベントでの“違和感”」で、「顔デカ、モデル、小顔矯正、日本文化、合コンで鼻取れる女、サスペンス、ホラー、そしてコメディ……というキーワードの数々」から出来上がった映画はでも、笑えない。串刺しのモチーフだけで転がるものを映画とは呼びたくない。この笑えなさ、この不快さが日本の今だといいたいのかと百歩譲って思ってみても空しさは拭えない。「ビューティフル・デイ」のJ・フェニックスもどきの後半の主人公も上滑りで残念。
-
映画評論家
佐野享
半世紀前に描かれた長新太や井上洋介のナンセンス漫画がそうであったように、極限まで研ぎ澄まされた笑いは本来それじたいアートなのだが、わざわざアート的な意匠を凝らして尖端ぶった表現は、作り手の自我をも笑い飛ばすほどの強度をもたず、ただただ痛々しく空回りするだけである。それどころか「このコントを笑えない人間は小さくないか?」と悦に入っているのだから始末がわるい。せめて「くだらなさ」の追求に徹してくれればと思ったが、半端な社会諷刺でそれもかなわず。
みんなのレビュー
「MANRIKI」のレビューを書く
「MANRIKI」のストーリー
整形しているモデルの方が仕事が多いと、駆け出しのファッションモデルが小顔矯正を決意する。美容クリニックを営む美しき整顔師に小顔矯正施術を依頼したモデルは、整顔師の猟奇的哲学と万力によって変身を遂げる。整顔師はざる蕎麦を食べるとクリニックを去り、新たな野望の地へ向かう。場末の街で美人局をするフーテンと年増が整顔師と突如遭遇することにより、事態は加速していく……。
「MANRIKI」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2019 |
公開年月日 | 2019年11月29日 |
上映時間 | 88分 |
製作会社 | (制作プロダクション:イースト・ファクトリー) |
配給 | HIGH BROW CINEMA=東映ビデオ |
公式サイト | http://crush-them-manriki.com/ |
コピーライト | (C)2019 MANRIKI Film Partners |
「MANRIKI」のみんなのレビュー
「MANRIKI」のレビューを書く映画専門家レビュー
今日は映画何の日?
NEW今日誕生日の映画人 1/25
- 森田芳光(1950)
-
の・ようなもの のようなもの
2011年に急逝した「家族ゲーム」「それから」の森田芳光監督の劇場デビュー作「の・ようなもの」の35年後を描く青春ドラマ。生真面目で冴えない落語家が、落語を捨てのんびりと暮らす兄弟子と出会い、自分らしく生きる楽しさを知っていく。監督は長年、森田組を助監督として支え続けた杉山泰一。出演は「僕達急行 A列車で行こう」の松山ケンイチ、ピエール瀧、「間宮兄弟」の北川景子、塚地武雅、佐々木蔵之介、「の・ようなもの」の伊藤克信、尾藤イサオ、でんでん、「メイン・テーマ」の野村宏伸、「椿三十郎(2007)」の鈴木亮平、「家族ゲーム」の宮川一朗太、「39 刑法第三十九条」の鈴木京香。 -
僕達急行 A列車で行こう
「うさぎドロップ」の松山ケンイチと「ワイルド7」の瑛太が鉄道マニアに扮し、恋に仕事に奮闘する姿を描いたコメディ。九州ロケを敢行し、合計20路線80モデルにもおよぶ車両の登場が鉄道映画らしいこだわり。共演は「パレード」の貫地谷しほり、「ALWAYS 三丁目の夕日'64」のピエール瀧。森田芳光監督の遺作。
NEW今日命日の映画人 1/25
- 円谷英二(1970)
-
ゴジラ 60周年記念 デジタルリマスター版
日本怪獣特撮映画の金字塔“ゴジラ”。その第1作目の公開から60年をむかえ、初回上映状態を再現することを目標に7ヵ月かけて制作されたデジタルリマスター版。4Kスキャンされたデータを元に、ソフトウェアおよび手作業による1コマ1コマのごみ取り処理がなされた。また音声も違和感が生じないよう細心の注意が払われたノイズ除去が行われている。監督は本多猪四郎。特技監督は円谷英二。出演は宝田明、河内桃子、平田昭彦、志村喬ほか。 -
ネオ・ウルトラQ 特別上映 part.II
1966年に放送された伝説のテレビドラマ『ウルトラQ』。その後の「ウルトラマンシリーズ」の礎となった作品。2013年、円谷プロダクション×WOWOWの共同製作による“セカンドシーズン”として全12話のまったく新しいドラマシリーズ『ネオ・ウルトラQ』が最新鋭4Kカメラを導入し、石井岳龍、中井庸友、入江悠、田口清隆ら4人の気鋭のクリエイターたちにより制作された。WOWOWでの放映に続き、2013年より順次、劇場公開される。 TV放映された全12話の内3話に加え、モノクロ作品であったオリジナルの『ウルトラQ』をハリウッドのデジタル技術でHDリマスター&カラー化した『総天然色ウルトラQ』から、選んだ一話を加えた計4話構成で上映。