惡の華

あくのはな
上映日
2019年9月27日

製作国
日本

上映時間
127分

ジャンル
青春

ここが見どころ

押見修造による同名コミックを、「覚悟はいいかそこの女子。」の井口昇の監督と伊藤健太郎の主演により実写化。中学2年生の春日高男は、衝動に駆られ佐伯奈々子の体操着を持ち去ったところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃され、彼女に隷属することになる。脚本は「心が叫びたがってるんだ。」の岡田麿里。息苦しい日々をやり過ごす春日を伊藤健太郎が、春日を服従させる仲村佐和を「Diner ダイナー」の玉城ティナが演じるほか、オーディションで選ばれた秋田汐梨、「暗黒女子」の飯豊まりえらが出演。

映画専門家レビュー

  • 映画評論家

    佐野享

    凡百の監督であれば陰鬱で露悪的な表現に落とし込んでしまいかねない題材だが、思春期映画の正しき継承者である天才・井口昇は、原作漫画とがっぷり四つに組みあい、透徹した少年少女の通過儀礼の物語に仕立て上げた。教室をメチャクチャにするシーンやテント内のシーン、ラストの海のシーンに顕著な80年代アイドル映画、ATG系青春映画の手ざわりも、咀嚼され血肉となった表現だからこそ深い感動を呼ぶ。2010年代の掉尾を飾るにふさわしい青春映画クラシックの誕生だ。

  • 映画評論家

    福間健二

    ボードレール。人間と世界の全体を見る目を失った詩の元祖か。その毒をよしとするデカダンスに逃げ場を求める者は多い。日本の田舎の中学生がそうなってもふしぎはない。そこからの物語。主人公の二つの時期を演じた伊藤健太郎には、大変だったねと言いたい。いいのは女の子たち。この世の極北に達するような問題児の玉城ティナに加え、他の二人も内側の泥を自覚してかつ魅力的。井口監督、乗っている。変態性以上に生を救いだした点で、過去の思春期物の秀作に一矢報いるものが。

  • 映画評論家

    川口敦子

    またしても“漫画が原作映画”の顔芝居かと、最初は嫌悪感に呑み込まれそうになったのだが、玉城ティナの嵐のような暴走ぶりに巻き込まれ、その底に厳然と息づく清らかな若さの結晶のようなものを垣間見せられるにつれて、ここでないどこかを夢見る少年と少女の当り前の青春の苦しさをまっとうに語る映画の核心が迫ってきて圧倒された。夕日の海での再会。波打ち際の3人と甘い調べ。70年代仏青春映画をふっと思わせていい。それだけに最後の歌は余計かも。

みんなのレビュー

「惡の華」のレビューを書く

「惡の華」のストーリー

山々に囲まれ、閉塞感漂う地方都市。中学2年生の春日高男(伊藤健太郎)は、ボードレールの詩集『惡の華』を心のよりどころにして、息苦しい日々をどうにかやり過ごしていた。ある日の放課後、教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子(秋田汐梨)の体操着を見つけた春日は、衝動に駆られ、その体操着を掴んで逃げ出してしまう。しかし一部始終をクラスの問題児・仲村佐和(玉城ティナ)が一部始終を目撃しており、この一件を秘密にする代わりにある契約を持ちかける。このことから仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった。仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちにアイデンティティが崩壊し絶望を知る春日。『惡の華』への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めていたころ、二人は夏祭りの夜に大事件を起こす。

「惡の華」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「惡の華」のスペック

基本情報
ジャンル 青春
製作国 日本
製作年 2019
公開年月日 2019年9月27日
上映時間 127分
製作会社 『惡の華』製作委員会(ハピネット=ひかりTV=ファントム・フィルム=角川大映スタジオ=日活)(企画・製作幹事:ハピネット/共同幹事:ひかりTV/企画・制作プロダクション:角川大映スタジオ)
配給 ファントム・フィルム
レイティング PG-12
カラー/サイズ カラー
公式サイト http://akunohana-movie.jp/
コピーライト (C)押見修造/講談社 (C)2019映画『惡の華』製作委員会

「惡の華」のみんなのレビュー

「惡の華」のレビューを書く

映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 1/21

永田雅一(1906)

地獄門 デジタル復元版

第7回カンヌ国際映画祭グランプリ、第27回アカデミー賞最優秀外国語映画賞、衣装デザイン賞を受賞した大映の第一回天然色映画「地獄門」のデジタル復元版。撮影助手として本作に関わった森田富士郎氏の監修の元、オリジナル・ネガより三色分解したマスター・ポジなどを素材に当時の色彩を復元している。東京国立近代美術館・フィルムセンターと角川映画の共同事業。2011年5月2日NHK・BSプレミアムで放映。2012年4月28日、東京・京橋フィルムセンターにて特別上映。

日蓮

古代王朝から新興武士へと政権が移りつつあった承久四年(一二二二年)に生まれた日蓮の、言語を絶する迫害をはねのけての布教活動の生涯を描く。原作は川口松太郎、脚本監督は、「遺書 白い少女」の中村登、撮影は「俺は田舎のプレスリー」の竹村博がそれぞれ担当している。
神尾楓珠(1999)

裏アカ

TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2015準グランプリを受賞した人間ドラマ。どこか満たされない真知子は、SNSの裏アカウントを作り際どい写真を投稿。思わぬ反響に快感を覚える中、フォロワーの一人ゆーとと一度限りの関係を持つが、彼に惹かれてしまい……。木村大作、降旗康男、原田眞人、成島出といった監督のもとで助監督を務めてきた加藤卓哉が本作で監督デビュー。やり場のない気持ちを抱えSNSの裏アカウントにハマっていく伊藤真知子を「火口のふたり」の瀧内公美が、表の顔と裏の顔を使い分ける年下の男をドラマ『左ききのエレン』に主演した神尾楓珠が演じる。2020年6月12日より公開延期。

樹海村 じゅかいむら

NEW今日命日の映画人 1/21

セシル・B・デミル(1959)

クレオパトラ(1934)

セシル・B・デミルが「新世紀」「恐怖の四人」に次いで監督製作した映画で、「喇叭は響く」「恐怖の四人」の脚色者バートレット・コーマックが史実に取材して組立てた物語で「路傍」「夜毎来る女」のヴィンセント・ローレンスと「坊やはお休み」「暴君ネロ(1932)」のウォルデマー・ヤングが共同脚色したもの。主役は「暴君ネロ(1932)」「或夜の出来事」のクローデット・コルベールが勤め、「一日だけの淑女」のウォーレン・ウィリアム、英国劇壇から招聘されたヘンリー・ウィルコクスンが共演するほか、「絢爛たる殺人」のガートルード・マイケル、「薫る河風」のジョセフ・シルドクラウト「クリスチナ女王」のアイアン・キース及びC・オーブリー・スミス、「妾は天使じゃない」のアーヴィング・ピチェル等が助演している。撮影は「生活の設計」「恋の凱歌」のヴィクター・ミルナーの担当である。

十戒(1957)

1923年、今回と同様セシル・B・デミルが監督した「十誡(1923)」の再映画化で、製作費1350万ドルを費やしたというスペクタクル宗教史劇、イーニアス・マッケンジー、ジェン・L・ラスキー・ジュニア、ジャック・ガリス、フレドリック・M・フランクの4人が脚本を書き、「胸に輝く星」のロイヤル・グリグスが撮影監督をつとめた。特殊撮影を受け持ったジョン・P・フルトンは1957年度アカデミー賞を受賞した。音楽は「最前線」のエルマー・バーンスタイン。主演は「三人のあらくれ者」のチャールトン・ヘストン、アン・バクスター、「追想」のユル・ブリンナー、「地獄の埠頭」のエドワード・G・ロビンソン、「勇者カイヤム」のデブラ・パジェット、そのほか「裸の天使」のジョン・デレク、「重役室」のニナ・フォック、「南部の反逆者」のイヴォンヌ・デ・カーロ、「放浪の王者(1956)」のサー・セドリック・ハードウィック、「サヨナラ」のマーサ・スコット。231分版もあり。