ここが見どころ
前途洋々たる若者と家庭を持つ美しい女とのめぐり逢いから別離までを通して、純粋な愛情が現実のいろいろな制約にもろくはかなく消えてゆく悲しみを描いた作品。製作は「最後の手榴弾」のジョセフ・シャフテル、監督は「悪の報酬」のアルヴィン・ラーコフ、アルヴィン・ラーコフとレイ・マチューの原作をアルヴィン・ラーコフとピーター・キングが脚色、撮影は「マジック・クリスチャン」のジョフリー・アンスワース、音楽はリズ・オルトラーニが各々担当。出演はレナード・ホワイティング、ジーン・シモンズなど。イーストマンカラー、パナビジョン。1970年作品。
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「昨日にさようなら」のストーリー
まだ肌寒い早春のイギリス。ロンドン行きの車中で青年(レナード・ホワイティング)は美貌の婦人(ジーン・シモンズ)に出会った。青年はこの日22歳の誕生日を迎えて胸おどらせていたが、彼の天衣無縫の行動にも婦人はなかなか打ちとけない。ロンドンに着いても青年は婦人から離れようとはしない。デパートでは茶目っ気をふりまいて皆を笑わせる青年に、婦人もいつしか笑ってしまった。しかし、婦人はすぐに心の扉を閉じてしまう。歩き去ろうとする婦人に青年は足早に追ってきては、話しかけ、ショーウィンドウをのぞき込む婦人を見て、彼はむりやり店の中に引きずりこむと美しいスカーフを選んでプレゼントした。婦人のお母さん(イヴリン・レイ)は家までノコノコついてきた青年を一目みて全てを了解する。「お前はあの青年とベッドを共にしてもあるいはきれいに別れても後悔するだろう」と婦人にさとした。青年のその率直さ、明るく優しい瞳は婦人に、ほんとうに自由で純粋な愛を思い出させた。不動産屋をうまくごまかして、マンションの一室を借りた青年はそこで、婦人と熱い抱擁をかわした。一度だけの思い出にしようとする婦人に、無垢な青年の心は傷ついてしまう。「どうして?」「私には家庭があるし、夫を愛しています」さびしそうな青年を置いて、去ってゆく婦人の心に、日常性から脱けえない悲しみがわいてきてしまう。ロンドン駅のプラットホームに駆けつけた青年はやっと車窓に横顔をむけた婦人を見つけ出した。「愛しています」青年の言葉をさえぎる婦人の頬に一筋の涙が光った。走りだした列車を追いかけながら涙を流す青年。スピードを増して走り去った列車を青年はいつまでも見送っていた。(松竹映配配給*1時間32分)
「昨日にさようなら」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1970 |
公開年月日 | 1971年7月22日 |
製作会社 | ジョセフ・シャフテル・プロ作品 |
配給 | 松竹映配 |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
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